「民話の故郷」の街並みに調和した
遠野瓦のナマコ壁をもつ蔵風建築

屋外機械室

見事なナマコ(海鼠、なまこ)壁で、土蔵そのものに見える。
浄の字の漆喰彫刻も気が利いている。


管理棟外観全景

腰上壁は薄塗ペンキ吹き付け仕上げ。
腰壁はモルタル塗腰瓦張りのナマコ壁。
基礎は人造石洗い出しで御影石風に仕上げている。


美術館や図書館とまちがう人が多いという。腰壁にナマコ(海鼠、なまこ)壁をめぐらせた、重厚な蔵造スタイル。地域住民に親しまれ、地域と調和することをめざした下水処理施設である。「民話の故郷」といわれる遠野らしさを存分にアピールするとともに、古い街並みをとどめる周囲の景観に見事に溶け込んでいる。屋根瓦と腰瓦はすべて遠野の瓦を使用。焼き上げ温度が高く、水が浸み込みにくい当地の特産である。ナマコ壁は、モルタル壁ながら、漆喰と見紛う精緻な仕上がり。丸ごと土蔵風に仕上げられた屋外機械室とともに、卓越した左官技術が遺憾なく発揮されている。1997年度の「手づくり故郷賞」を受賞している。

設計 日本水工設計株式会社
施工 株木建設・佐藤工業建設共同企業体
左官施工 株式会社松田左官工業所
主な左官仕様 管理棟外壁:腰瓦張りナマコ壁、人造石洗い出し仕上げ
管理棟内壁:モルタル塗ペンキ吹き付け
屋外機械室:土蔵風仕上げ