名園の池端に風雅な佇まいを見せる
福井藩主松平家の別邸を精緻に復元

主家外観

池の東畔に建つ、柿葺寄棟の数寄屋造建築。外壁は趣のある聚楽壁。
庭園に融和した風情ある姿を見せる


金砂子ノ御間

聚楽壁に金粉・金箔張りのアクセント。典雅な雰囲気を醸している


江戸時代には「御泉水屋敷」と呼ばれていた福井藩主松平家の別邸。その名のとおり大きな池を備えた庭園は、江戸中期の回遊式林泉庭園を代表する名園として知られ、1982年に国の名勝に指定されている。それを機に本格的な復元計画がスタートし、戦災で焼失した建物群も主要部分である主家(母屋)などが復元された。18世紀前半の図面に基づく仕様なので、内外部とも伝統的な左官仕上げが駆使されている。「この際とことんやりましょう」というのが、このやりがいのある仕事に携わった職人たちの合い言葉であったという。左官もまた、伝統技術が遺憾なく発揮された出来映えとなっている。

設計 財団法人建築研究協会一級建築士事務所
施工 石田建設工業株式会社
左官施工 株式会社上栄
山本正左官店
主な左官仕様 外壁:聚楽壁
内壁:聚楽壁、漆喰塗