荘重な内部空間を鮮やかに彩る
多彩な漆喰塗のバリエーション

外観全景

レンガ、花崗岩のなかに、白御影石人造石洗い出し仕上げが組み込まれ、
重厚なハーモニーを形づくっている


中央階段室

ステンドグラスや大理石などとともに、多彩な仕上げの漆喰塗が、
荘重な空間を創り上げている。天井・壁は白の漆喰塗。
柱は黒漆喰塗、黄漆喰塗の磨き仕上げ。
正面壁の柱や飾りがマーブル仕上げである


中部地方における司法の中心拠点であった、名古屋控訴院・地方裁判所・区裁判所の旧庁舎である。1922年に建設された大正西洋建築の代表的構造で、1984年に国の重要文化財の指定を受けている。その後、大規模な復元工事が実施され、往時のままの姿を取り戻すとともに、名古屋市市政資料館として生まれ変わった。ネオ・ゴシック様式の荘重な建物で、外部・内部ともに左官技術が重要な役割を務めている。とくに内部の柱や壁に施された漆喰塗は、余所では見られない多彩な仕上げ。黒や黄の磨き仕上げに加えて、マーブル模様の珍しい仕上げも見られ、豪華な空間をいっそう引き立てている。

設計 名古屋市および文化庁
施工 鹿島建設・小原建設・新井組共同企業体
左官施工 株式会社 横井業務店
協力:株式会社岡田建工
主な左官仕様 外観:人造石洗い出し仕上げ
柱・階段:黒漆喰塗、黄漆喰塗、マーブル漆喰塗
天井・内壁:漆喰塗