ローラー仕上げのテクスチュア
豊富な形状のバリエーション。工法上の工夫でより豊かな表情が得られる
現在、外装仕上げの主流になっている建築用仕上げ塗り材は、ローラー仕上げを施すことにより、さまざまな立体紋様を中心に豊富な形状のテクスチュアが得られるようになっている。同時に、防水性をはじめとする機能性も追求され、用途に応じた選択肢の幅は相当広い。材料の性質により、テクニックを存分に活かした仕上げが可能である。 |
ローラー仕上げA |
歩掛 10m2/人日 特徴 塗り材の素材感と各種デザインローラーによる立体紋構との組み合わせで、種々のナクスチュアが創り出せる。 |
ローラー仕上げB | ローラー仕上げC | ローラー仕上げD | ローラー仕上げ(ヘッドカット)E | |||
ローラー仕上げ(ヘッドカット)F | ローラー仕上げ(ヘッドカット)G | ローラー仕上げ(ヘッドカット)H | ローラー仕上げ(ヘッドカット)I | |||
ローラー仕上げ(ヘッドカット)J | ローラー仕上げ(ヘッドカット)K | ローラー仕上げ(ヘッドカット)L | ||||
求められるニーズに応じて、多様なテクスチュアが選択可能 |
■特色 |
仕上げ塗り材は近年になって開発が進み、現場のニーズにしたがって多種多様な色・光沢・性質を持った製品が市場に出回るようになった。そのうち造形的なニーズに応じて、ローラーによりさまざまなテクスチュアを表現する工法がローラー仕上げである。仕上げ塗り材の表面をローラーで押さえる工法が基本で、意匠性の高い各種パターンが形成される。 |
■適した部位 |
仕上げ塗り材が用いられる内外壁で、特に人目にさらされる部位。 |
■性能評価 |
各仕上げ材に定められた施工工程をいかに正確に行うかで、仕上げのよしあしはもちろん、耐久性が決定する要素が大きい。 |
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■施工工程 |
大きく分類すると、仕上げ塗り材仕上げには単層仕上げ塗りと複層仕上げ塗り工法がある。前者を単純に言えば、材料を平面に塗り付けることで完結するわけだが、その際、工法上のテクニックとしてパターンローラーを使用することにより、多彩な表情を壁面に創り出すことができる。後者では、テクスチュアのパターンを形成する中塗り工程で用いられるのが一般的である。 |
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■下地 |
多様な下地に適応するが、製造業者の指定する下地を使用するのが基本。仕上げ材の結合材がセメント系か合成樹脂エマルション系であるかによって、適する下地が異なるので注意を要する。下地によっては、表面の吸収性を均一にするためのシーラー塗りを施す場合もある。 |
■材料と調合 |
基本的には既製品の材料そのものを使用する。製品によっては有色もしくは透明塗料を上塗りして、発色や艶出しを図ったり、耐久性を高めることもある。 |
■仕上げ |
仕上げ材を鏝塗りした後、ローラーで転圧しパターンを形成する場合は、一度に大きな面積を施工すると均一な塗り厚になりにくいので注意する。ローラーによる塗り付けは、ローラーの紋様に応じてくばり塗りし、その後同じローラーで塗り厚をならしていく。また、ローラーによる凸部処理(ヘッドカット)は、見本を参考にしながら仕上げ材の定着の具合を確認したうえで、タイミング良く行う。 |
■メンテナンス |
材料に含まれる顔料や骨材が均等に分散していないと、色ムラや紋様ムラが生じる。現場での試し塗りを必ず行うことが肝要。指定された塗り量と施工法を守り、均一に塗り付けるように留意する。 |