リフォーム事例集(内装リフォーム)
左官仕上げの内装工事
建物の内装工事は,良好な室内環境をつくるとともに,災害(火災,地震 等)に対して安全なものでなければなりません。特に結露はその発生限として生活行為からで高断熱、高気密の現代住宅では意図的に換気ををしなくてはなりません。結露は結露水となって湿潤状態が続くと美観状の支障があるばかりか建物の寿命を縮めたり、ダニやカビなどによって呼吸器にアレルギーを誘発するなど人体に重大な影響を与えます。
珪藻土建材はその点でも有効で高い評価を得ています。そして、内装のリフォーム施工に際しては,住みながら工事を進めるため、工期短縮と近隣住民とのコミュニケーションが必要です。総じて左官工事業者は,地域密着型対応がとりやすく,お客さまへの速やかな対応が可能です。左官工事業者には,これまでゼネコンから工事を請負うことにより培われてきた技術力・施工力等の高さがあります。
【1】塗り替え仕上げ工法
ここでいう塗り替え仕上げ工法は,すでに塗ってある壁または天井の部分を調整した上に仕上げ塗りを施工するものです。ただし,下地より取り除いた場合は,従来の施工法をおこないます。
●繊維質上塗り替え仕上げ
繊維質上塗りの下地は,せっこうプラスター仕上げがよいでしょう。繊維質上塗りが汚れやぼろぼろ落ちる状態でリフォームされることが多く、その場合には次の3工法があります。
1.既存壁面の繊維質上塗りをけづり取って仕上げる方法 |
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この場合既存の繊維質上塗りを全面、ケレン棒、皮スキ等の工具を使用して撤去します。繊維質上塗りは水分を含ませると簡単に剥がれます。またその方がほこりもたたないでしょう。鉄部の露出個所があれば錆止めの処理をします。下地のアク、シミの影響を受けないようにアク止め剤を塗布することも必要です。 |
2.既存壁面の繊維質上塗りのうえにアク止めをして仕上げる方法 |
既存壁面の繊維質上塗りの接着強度があり,けづり取らないで再化粧をする場合は,下地のアク、シミの影響を受けるため、刷毛でアク止め剤を塗布します。水引き後下地が露出しないように薄く全面に鏝塗りをします。水引具合をみて追いかけ塗りをしてむら取りをおこない仕上げます。汚れやカビを封じ込める工法ですが、後日、シミが出る可能性があります。仕上げをするにあたっては経験のある日左連の会員に判断してもらいましょう。 |
3.既存壁面の繊維質上塗りを生かして仕上げる方法 |
既存壁面の繊維質上塗りの落下防止を目的とする工法です。したがって,既存壁面の繊維質上塗りに対し含侵下地強化剤,水性合侵剤をローラー等で全面に塗布して繊維質上塗りを固めます。工期が早く、工事による汚れも少なく、すぐに室内使用が可能です。 居室で使用する場合は含侵下地強化剤,水性合侵剤の物性の確認は必要です。 |
【2】人造石塗り仕上げのリフォーム
人造石塗り仕上げには,洗い出し仕上げ,研ぎ出し仕上げに別けられます。
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経年の研ぎ出し仕上げ | 新たに研ぎ出し部分 |
【3】汚れたクロスの上に塗り壁リフォーム
ビニールクロスの汚れが原因でリフォームを希望する方もいますが、最近ではクロスから塗り壁への希望が多くなってきました。各材料メーカーではクロスの上に塗ることのできる材料の開発・販売しています。この施工法ですと、クロスを剥がす際に出る有害物質を防げます。いずれにしても、メーカーの仕様書によって施工します。
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既存ビニルクロスの改修工事 |
【4】内装床の補修・改修
内装床の改修工事では工期の短縮化が必要とされています。特に商業建築、店舗、工場などはその最たるものであります。 従来はセメントモルタル、薄塗りモルタル等で床補修が施工されてきましたが、ポリマーセメントモルタルを使用したセルフレベリング作用のある早期硬化型下地調整材の開発によって3~4時間で歩行でき、24時間後は最終仕上げの施工が可能であります。 このような商品を使用することによって、左官でのリフォームの幅が広がります。 |
セルフレベルリング 流し込み作業 |